2011年9月4日(日)「しんぶん赤旗」

支援船襲撃事件でトルコ

イスラエル大使追放

謝罪の拒否を受け


 【カイロ=伴安弘】トルコ政府は2日、昨年5月にイスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区への国際支援船を襲撃・拿捕(だほ)し、トルコ人9人を殺害したことにイスラエルが謝罪を拒否しているとして、トルコ駐在イスラエル大使の追放と両国間のすべての軍事合意の停止措置をとったことを明らかにしました。

 トルコのダウトオール外相は、「イスラエルは自国を国際法の上に置いてきた。その不法な行為の代償を払わなければならない時がきた」と述べました。トルコは襲撃事件発生直後にイスラエル駐在の大使を引き揚げています。

 これに対し、イスラエルはあくまで「正当防衛だった」との立場を崩していません。

 国際支援船襲撃・拿捕事件をめぐって国連は2日、パーマー元ニュージーランド首相が議長を務める独立委員会がまとめた調査報告書を公表しました。

 報告書は、イスラエル軍が「乗組員側から激しい、組織的で暴力的な抵抗を受けた」としながらも、「(イスラエルが設定したガザ地区の)封鎖領域からかなり離れた地点で最終的な事前警告もなしに(支援船に)乗船したことは過剰であり、非合理的だ」としています。さらに「(トルコ人の)死者のほとんどが背後や至近距離で数回にわたり銃撃を受けている証拠がある」と指摘しています。

 報告書はイスラエルのガザ封鎖を「正当な治安措置」としていますが、ダウトオール氏は会見で、「トルコはガザ封鎖を認めておらず、この問題を国際司法裁判所の調査に委ねる」と述べました。


 ガザ国際支援船襲撃・拿捕事件 2010年5月31日、パレスチナ自治区ガザへの支援物資を積んだ国際支援船がイスラエル軍の襲撃を受けて拿捕され、支援組織のメンバー9人が死亡した事件。国際法を無視した行動として国際社会から非難されましたが、イスラエルは自国が設置した調査委員会の報告書で「合法な自衛行為だった」と主張しています。





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