2011年9月4日(日)「しんぶん赤旗」
仮設住宅に畳・断熱材
願い実現へ奮闘 共産党の行動実る
岩手
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仮設住宅の暮らしも2、3カ月がたちました。被災者は仮設住宅のあちこちに、使い勝手や住み心地の悪さを感じています。岩手県内では、冬の寒さ対策や寝室に畳を入れるなど追加工事が少しずつ進んでいます。日本共産党の斉藤信県議が、県に対策を求めてきたものです。
「釘を打つ音がうるさくて部屋にいらんね。でも、これで少しは楽になんだすぺが」。陸前高田市の高田高校仮設住宅で暮らす女性(69)は愚痴をこぼしながらも、うれしそうに工事を見守ります。
市内の仮設住宅では、外壁に断熱材を取り付ける追加工事が進みます。断熱材の厚さを5センチから10センチに増やすことで、“夏暑く、冬寒い”というプレハブの欠点を緩和しようという試みです。
2部屋のうち1部屋に畳を敷く工事も行われました。女性は、工事前の固い床にこすれて黒ずんだ、くるぶしを見せ、「いがったなあ」と喜びます。
岩手県によると、断熱材を追加するのは県内の仮設住宅の半数にあたる約7千戸です。対象外の仮設住宅はつくられた当初から10センチの断熱材が壁に入っています。また、畳は希望者を対象に工事をすすめます。
いずれも工事費用は災害救助法にもとづく経費としてあつかい、国と県が9対1の割合で負担します。被災自治体の支出はありません。県は月内に工事を終わらせる方針です。
ただし畳が入らない仮設住宅もあります。県は「構造が特殊で、大がかりな工事が必要」(建築住宅課)とし、全体の約半数にのぼる、プレハブ協会以外の公募業者がつくった仮設住宅を対象外にしました。
一方、福島県は仮設住宅の希望者に畳を設置しますが、断熱材の追加工事をしません。宮城県は断熱材と畳の両方とも追加工事をしない方針で、「必要ないと判断しているが、市町村が必要と考えて業者に発注すれば経費は国と県で持つ」(住宅課)と説明します。
厚生労働省は、入居者の実情に応じて断熱材の追加や二重ガラス、畳、建具(網戸など)の後付け、日よけや玄関前の風除室の設置などを追加工事した場合は「国庫負担の対象となる」(6月21日付通知)としています。
日本共産党は党岩手県委員会と斉藤県議が6月22日、断熱材の補強、畳の設置など10項目を県に申し入れました。国会では「仮設住宅の環境改善はまったなし」(7月15日の衆院本会議、宮本岳志議員の代表質問)と求めてきました。