2011年9月4日(日)「しんぶん赤旗」

「3党合意順守」くりかえす野田首相

行きつく先は財界要求実現

国民より自公優先 子育て世代の負担増も


 野田佳彦首相は、繰り返し自民、公明両党との3党合意を順守すると表明しています。その行きつく先は、子育て世代の負担増と大企業優遇です。


 「最低限でも3党合意を順守することは信頼してもらいたい」。1日、野田首相は党首会談で、自民党の谷垣禎一総裁にこうすり寄りました。その後、公明党の山口那津男代表にも同様に3党合意順守を約束しました。

 8月の3党合意で民主党は、特例公債法の成立と引き換えに、子ども手当の廃止など看板政策の見直しを受け入れました。それだけでなく、法人税減税など税制改定の協議や、東日本大震災の復興財源をまかなう復興債の償還財源の検討などを3党で行うことまで合意しています。(表)

 野田首相は自公との党首会談で、(1)東日本大震災からの復旧・復興(2)税制改正(3)円高・デフレの経済対策―についての実務者協議を提案。さらに、2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げる「税と社会保障の一体改革」でも協力してほしいと言及しました。国民との公約や被災地の声よりも、自公を優先し、財界の要求を実現していこうという立場です。

 東日本大震災の復興財源について野田首相は2日の記者会見で「足りない部分については時限的税制措置をとることが、(政府の復興の)基本方針と基本法から導き出せる結論だ」と増税で対応する考えを示しました。野田首相が理由に挙げた復興基本法は民主、自民、公明が合意し6月20日に成立したもの。自民、公明両党も復旧・復興についての協議には前向きな姿勢を示しています。

 自民党の石原伸晃幹事長は3党合意を順守しなければ「またゼロからのスタートになってしまう」などと再三けん制し、公明党の山口代表も「3党協議の結果をしっかり守って実行していただきたい」と要求。野田首相は3党合意の順守を繰り返し、「一緒に信頼関係を築きながら、政策実現し、一緒に成果をあげていきたい」と述べています。

 消費税増税や法人税減税、経済対策を3党で協議し数の力で悪政を推し進める危険性は、増すばかりです。

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