2011年9月3日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ドジョウの旬は6月といいます。泥の中で冬眠していた彼らは、暖かくなるとともに水中へでてきます▼えさを食べてどんどん太り、夏がくると成長の盛りのときを迎えます。人間にとっても、6月がドジョウの食べごろに。そこで、「頑(かたく)なに汗の背中や泥鰌(ドジョウ)汁」(加藤楸邨(しゅうそん))というわけです▼旬からすれば季節はずれの9月に入り、「ドジョウ内閣」が生まれました。もちろん、相田みつをの詩を借りて自分をドジョウにたとえた、野田首相の発言にちなむ命名です。「ドジョウが金魚のまねをしてもしようがねえじゃん。…泥臭く国民のために汗をかくドジョウの政治をとことんやりたい」▼泥といえば、自民・公明と民主は大震災に苦しむ人々をそっちのけにして泥仕合を演じてきました。足の引っ張り合いみたいな政権争いの泥仕合はうんざりですが、野田首相は、自・公との仲よし国会をめざします。増税も原発活用も沖縄の基地づくりも、ドジョウが泥に潜るような3党のこっそり相談で決めるやり方はお断りです▼野田首相は、人を驚かせたばかり。まだ内閣もできていないうちに財界団体を巡ったのですから。日本経団連の米倉会長は、野田氏が民主党代表に選ばれたとき、たいそう喜びました。「ジャパンドリームが実現した」。テレビで報じられた2人の顔合わせのようすは、どうみても米倉氏が殿様、野田氏が家老でした▼ドジョウは庶民のしるしの魚。首相、そっちに庶民はいないぞ。首相は、金魚ならぬ金権になびきます。





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