2011年9月1日(木)「しんぶん赤旗」
握斧石器の製作 35万年早まる
ケニア 地層調べわかる
握斧(あくふ=ハンドアックス)と呼ばれる石器がこれまで知られているより、約35万年早い176万年前につくられていた―。米国とフランスの研究グループがアフリカ東部のケニアで石器を見つけ、地層の年代を調べた結果わかったと、1日発行の科学誌『ネイチャー』に発表しました。
石器が見つかったのはケニア北西部にあるトゥルカナ湖の西岸。トゥルカナ湖の周辺では、これまでさまざまな種類の人類が住んでいた遺跡が見つかっています。研究グループは、2007年にそうした遺跡の一つを発掘調査し、握斧を見つけました。
握斧は、アーモンドのような形をした石器で、手で握って使ったとみられています。人類が初めて石器をつくったのは、約250万年前で、オルドワン型と呼ばれる石を荒っぽく割っただけのものがつくられる時代が長く続きました。握斧が登場するのは、アシュール型と呼ばれる石器がつくられるようになってからで、これまで握斧を含む最古のアシュール型石器はエチオピアの遺跡で見つかった約140万年前のものとされていました。
研究グループが、握斧が見つかった地層の年代を、堆積年代がわかっている火山灰の層や、古い時代の地磁気の変動の様子にもとづいて推定したところ、約176万年前とわかったとしています。