2011年9月1日(木)「しんぶん赤旗」
全視協の「地デジ」請願採択
衆参両院本会議で全会一致
「視覚障害者からテレビ奪わないで」
全日本視覚障害者協議会(一般社団法人・全視協=田中章治代表理事)が国会に提出していた「視覚障害者からテレビを遠ざけない地上デジタルテレビへの移行に関する請願」が31日、衆・参の両院本会議で全会一致で採択されました。
同請願は、7月24日の地デジ完全移行に伴い視覚障害者が情報から取り残されないよう、(1)テレビのリモコン操作情報の音声化の開発を進める(2)解説放送や、ニュースなどの字幕の読み上げを増やす(3)携帯ラジオに地デジ受信機能を付加する、の3点を求めています。
厚生労働省の調査(2006年)によると、視覚障害者の66%がテレビから情報を入手。しかし、地デジ化でテレビのリモコンが複雑化し、操作しづらくなりました。多くの視覚障害者が利用していたFMラジオのテレビ音声も受信できなくなっています。
日本共産党の山下芳生参院議員は6月7日の総務委員会で、全視協の請願を紹介しながら政府に対策を要求。片山善博総務相は「各メーカーに対応が図られるよう、総務省として伝えたい」と答弁しました。
全視協の山城完治総務担当理事は「請願運動を進めてきたみなさんの思いが通じた結果です。総務省は地デジ化で視覚障害者からテレビやラジオを奪う状況を反省し、改善していく姿勢を示してほしい」と話しています。