2011年8月31日(水)「しんぶん赤旗」
保安院やらせ関与認定
九電・四電・中部電のシンポ
第三者委
電力会社による原発関連のシンポジウムでの「やらせ」を調査してきた経済産業省の第三者調査委員会は30日、九州電力と四国電力、中部電力のプルサーマルシンポジウムでの原子力安全・保安院の関与を認定しました。保安院の規制機関とは、ほど遠い実態が浮き彫りになりました。
第三者委員会が発表した中間報告によると、九電のシンポ担当者は2005年10月に佐賀県玄海町で開催するシンポの打ち合わせのために保安院を訪問。保安院原子力安全広報課のA課長は「九電の関係者もどんどん参加して、意見をいいなさい」と“助言”しました。
この相談を記録した九電担当者のメモには「九電関係者の動員、さくら質問等、(四角で囲んで)取り注でお願いする」と記載されていました。
06年6月に愛媛県伊方町でのシンポに向けて保安院を訪問した四国電のシンポ担当者もA課長から、九電と同様の“助言”を受けました。さらにA課長は「発言要領を用意してもいい」とのべていました。
四国電は“助言”どおり、発言メモを作成。関係者29人に発言を依頼し、10人が実際にシンポで発言していました。
また原子力安全広報課の職員は、07年8月の浜岡原発のシンポに向けて、中部電の担当者に、発言文案を作成し、関係者に発言させるよう要求。しかし中部電から法令順守の観点からできないと拒否されると、保安院職員は中部電の対応に不満を示したといいます。