2011年8月28日(日)「しんぶん赤旗」
「つくる会」系を不採択
「公民」教科書 沖縄・竹富町教委
沖縄県の竹富町教育委員会(竹盛洋一委員長)は27日、竹富町立中学校で今後4年間使用する教科書を採択する臨時会を開き、社会科「公民」は5委員全員一致で「つくる会」系の育鵬社版を不採択とし、東京書籍版を選びました。
「公民」の審議が始まると、大田綾子委員が、先に採択地区協議会が答申した育鵬社版不採択の緊急動議を提出。(1)調査員の推薦に入っていない(2)原発の危険性に触れず安全性のみ強調、男女平等に一切触れないなど現代社会が抱える問題点を適切に取り上げていない―と指摘しました。進行役の委員長を除く全員が発言。育鵬社版不採択と東京書籍版の採択を全員一致で決めました。
会議が休憩に入ると、それまで静かに見守っていた会場いっぱいの傍聴者から拍手がわき起こりました。会議終了に際し、竹盛委員長は、結果について「(採択地区協議会の)役員会で、県の指導のもと協議されるので見守りたい。町教育委員会は大きな問題をクリアしました。子どもたちのための教科書を選んだと自信を持っています」と語りました。
傍聴していた仲山忠亨元教育長は、目をうるませながら、「良心を見る思いでした。主体性を発揮して、立派な教科書を選んでくれました。厳しいなかでの採択、本当によかった」と語りました。
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