2011年8月25日(木)「しんぶん赤旗」
「つくる会」系選定に怒り
沖縄・八重山 歴代教育長ら撤回要求
“調査員推薦ない教科書”
沖縄県石垣、竹富、与那3市町の中学校で2012年度から4年間使用する「公民」教科書について、23日開催の教科用図書八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)で「つくる会」系の育鵬社版教科書が選定されたことに、驚きと怒りが広がっています。社会科「歴史」は帝国書院でした。
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同協議会では「歴史」「公民」とも、調査員は「つくる会」系教科書は推薦しませんでしたが、協議会はこれらを選定対象に加え、無記名投票の結果、「公民」は育鵬社5人、東京書籍3人となりました。
24日には、石垣市と竹富町の歴代教育長10氏が共同代表を務める「子どもと教科書を考える八重山地区住民の会」が、「公民教科書の育鵬社選定に対し抗議し、撤回を求める声明」を発表しました。同日付で、3市町の全教育委員に要望書を郵送や手渡しで送りました。
声明は「調査員からの推薦もなかった教科書が選定されるのは全国で例を見ない異常、異例の選定」と指摘。育鵬社版教科書について、「沖縄の米軍基地に関する記述もなく、自衛隊礼賛、憲法改正へ誘導する内容で、八重山の子どもたちに使わせることを認めるわけにはいきません」としています。
記者会見した歴代教育長らは「育鵬社版選定は、子どもと八重山住民への背信行為であり、県民や国民への大きな挑戦」「育鵬社版選定先にありきで本当に恐ろしい」と発言。調査員が推薦しなかった教科書を選定した異常さを重ねて強調し、撤回を求めました。