2011年8月23日(火)「しんぶん赤旗」
仙台市で放射線量調査
小中学校プール汚泥から空中の10倍
党市議団と母親ら要望で実現
福島原発事故直後から仙台市の母親たちと日本共産党市議団は放射線の線量調査を市に要望し実施させました。その調査を通じて小中学校のプール汚泥から市内の空中で計ったものより10倍の線量が検出されたことが判明し、不安と怒りの声が広がっています。
仙台市は6月8日から、小中学校や公園などの児童施設約750カ所で放射線量の測定を始め、現在はモニタリング調査を数十カ所で継続しています。市の調査(17日)では舘南4号公園0・16マイクロシーベルト、福室児童館0・15マイクロシーベルトなどで、年間にして一般人の被ばく限度と言われる1ミリシーベルトは超えていません。
当初はこの調査すらありませんでした。福島原発事故直後、不安を感じた母親たちは奥山恵美子市長に、調査の要望を申し入れますが、市は応えようとしませんでした。
要望した一人の女性(61)は「関東圏では早い段階で線量が発表されたのになぜ、市は調査もしないのか、と。地元で何が起きているかを知ることで女川原発を稼働させないことも含めた、大きな運動に発展させたい」と話します。
日本共産党市議団は、市民の不安の声を受け、市に調査するよう数回にわたって要望書を提出。議会でも要求し、市による調査を実現させる一方、独自調査もしました。
7月29日から今月5日まで調査した結果を市は18日になって、小中学校のプールを清掃した際に出た汚泥から、空中の10倍もの線量が検出されたと発表しました。木町通小学校1・46マイクロシーベルト、生出中学校1・03マイクロシーベルトなどでした。
2人の子どもを持つ母親(37)は、「うちの小5の子どももプールの清掃をやりました。今頃になって『プール汚泥の線量が高かった』なんて、無責任です」と語ります。
花木則彰党市議は、「児童にプール掃除をさせることをなぜ危険はないといえるのかと、議会でも追及してきましたが、八つの学校で実施されていました。放射線への対処はやりすぎるということはありません。今後も注意が必要です」と指摘します。 (木薮健児)