2011年8月23日(火)「しんぶん赤旗」

リビア首都 ほぼ制圧

反政府勢力、群衆が歓呼で迎える


 【カイロ=伴安弘】リビアの反政府勢力は22日未明、首都トリポリをほぼ制圧し、半年にわたるカダフィ独裁政権との戦闘は決定的な局面に入りました。市中心部に入った反政府勢力の武装部隊は群衆の歓呼で迎えられました。 (関連記事)


 反政府勢力を束ねる「国民評議会」のアブドルジャリル議長は21日夜、同国の最高指導者カダフィ大佐の次男のセイフイスラム氏を拘束したと発表しました。国際刑事裁判所(ICC)は、反政府勢力への武力弾圧をめぐって同氏らに逮捕状を出しています。同議長は、カダフィ大佐が国外に退去するなら、同氏と子息の安全は確保すると述べています。

 また「国民評議会」の別の幹部は、ロイター通信に対し、カダフィ氏の長男ムハンマド氏も反政府勢力に投降したと述べました。

 カダフィ大佐はなお、徹底抗戦の姿勢を崩しておらず、トリポリ市内のいくつかの地域で戦闘は続いていると伝えられます。しかし、同大佐の警備を担当する精鋭部隊も含め、支持者の多くは投降したとも伝えられます。

 反政府勢力は、この数日間、トリポリを東西から包囲してきました。カダフィ政権側によると、21日昼からのトリポリでの戦闘で1300人が死亡し、5000人が負傷したといいます。

 北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は「カダフィ政権が崩壊しつつあるのは明らかだ」との見方を示し、英国もカダフィ大佐に退陣を求めました。


 リビア 面積約177万平方キロ(日本の約4・6倍)、人口654万人(2010年推定)。イスラム教が国教で人口の97%がスンニ派。1912年からイタリアが支配した後、第2次大戦中に英仏が占領。51年12月に独立し、69年9月のクーデターでカダフィ大尉(当時)が権力を掌握。70年代から国際的にテロ組織を支援し、米政府は2006年6月まで同国を「テロ支援国家」に指定していました。





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