2011年8月21日(日)「しんぶん赤旗」
震災で子どもたち発信
教育のつどい分科会「何ができるか」考え
千葉県内で開かれている「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2011」2日目の20日、子ども参加の分科会「東日本大震災を受け止め、発信する子どもたち」が開かれ、首都圏の子どもたちが被災地のボランティアや募金などの取り組みを報告しました。
「小さなことでも、いつもの生活をできないことが苦しかった」。私立・自由の森学園高校(埼玉県飯能市)1年の女子生徒は7月、宮城県石巻市でボランティアした経験を振り返りました。風呂に入れない日もあり、便所はくみ取り。当たり前の日常の幸せが身にしみたと言います。
ボランティアは総合学習の一環で有志の参加。5月に行った3年の女子生徒は「自分たちに何ができるかを考え、どんどん発信していきたい」と語りました。
地元千葉県からは「あびこ子どもネットワーク」(我孫子市)の小学生と中学生、それを支える大学生らが報告しました。小学4年の女児は「少しでも役に立ちたいと思ったので、自分に何ができるのか考えました」と作文を朗読。自宅に募金箱を置き、家族で募金したことから始めました。子どもたちの提案で、街頭で募金活動もしました。
震災を通じて国や街、学校づくりをテーマにした「第18回公開まちづくりシンポジウム」の取り組みを紹介したのは、私立・旭丘高校(神奈川県小田原市)の生徒会。防災対策について市に聞き取りもして調べ、過去最多の440人が参加したシンポで意見を発表しました。2年の女子生徒は「震災復興(の財源)と私学助成、高校授業料無償化がてんびんにかけられている」と批判し、今こそ署名などの運動に取り組むことが大切だと表明しました。
各報告に、親子連れなど会場満席の参加者からは大きな拍手。「改めて子どもたちから学んだ」との意見も出ました。
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