2011年8月20日(土)「しんぶん赤旗」

債権者「裏切られた」

安愚楽牧場説明会 被害者2047人に


 巨額の負債を抱えて経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場(栃木県那須町)の債権者説明会が19日、東京・両国国技館で行われました。出席者によると、三ケ尻久美子社長は、謝罪の言葉を繰り返しましたが、会場からは「金を返せ」「信頼を裏切られた」など、厳しい声に包まれました。

 牧場側は会社の全資産と社長の個人資産の譲渡代金を弁済にあてる方針を説明。赤字の牧場は従業員を解雇し、不動産を売却することも示されました。

 会場からは「昨年の口蹄疫(こうていえき)のときも、今回の震災でも社長名の文書で問題はないと説明されてきた。われわれをあざむいてきたとしか思えない」「破綻の原因をオーナーの解約が相次いだせいにしている。一番牧場を支えてきたオーナーがなぜこんな苦しい思いをしなければならないのか」など、経営姿勢の誤りを指摘する声が飛び交ったといいます。

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)には、18日現在で2047人の被害者が登録し、相談の総額は約326億円にのぼります。

 同弁護団は11日、「特定商品預託法に反する違法な勧誘が行われた可能性が高い」として、消費者庁に早急な対応を求めています。


 安愚楽(あぐら)牧場 全国で約370カ所の牧場や、食肉加工などを運営する株式会社。繁殖牛の売買・飼養委託契約を交わし、契約期間内に生まれた子牛の売却益を還元する和牛オーナー制度を運営し、約7万3千人のオーナーがいます。9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、負債総額は7月末時点で4330億円にのぼります。





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