2011年8月20日(土)「しんぶん赤旗」
子の命守る学校・地域を
千葉で「教育のつどい」開幕
震災・貧困 熱く討論
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教職員と父母らが子育てや教育について語り合う「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2011」が19日、千葉県内で開幕しました。東日本大震災と原発事故を受け、集会テーマの一つに「今こそ『子どもたちのいのちを慈しみ、人間として大切にする学校・地域』を」を掲げ、熱心な討論を始めました。
全日本教職員組合など27団体でつくる実行委員会の主催です。松戸市で行われた開会全体集会には約1700人が参加。冒頭、被災地に伝わる民舞を千葉県内の青年教職員や高校生らが披露し、満席の会場から復興を願って手拍子が送られました。
教育現場では4月から、国の責任による小学1年の35人学級が実現。これを受けて18の都府県で少人数学級が拡充されています。また、子どもからゆとりを奪う新学習指導要領が小学校で全面実施されています。
代表委員の一人で新日本婦人の会の高田公子会長はあいさつで、少人数学級など要求の前進について「広範な国民の粘り強い運動が国を動かした」と強調。一方、震災の財源を口実に高校授業料無償化などが後退しかねない情勢にふれ、「子どもの成長を阻むものに対し、共同して声を上げよう」と訴えました。
横浜市立大学教授の中西新太郎さんが講演し、震災以降の状況について「子どもたちの生きることが、いっそう貧困化にさらされている」と指摘。子どもが安心して生きられる場所を築くことが重要だとのべました。
北海道網走市内の中学校教員になって3年目という女性(30)は初参加。「集会は市民や保護者、学生など多くの人と出会えます。視野を広げて教育実践に生かしていきたい」と話していました。
同日夜には七つのフォーラムが開かれました。
集会は21日まで。被災地の報告や子どもの貧困の実態など約400本のリポートをもとに29の分科会で議論します。