2011年8月19日(金)「しんぶん赤旗」
民・自あつれき国会空転
子育て支援もてあそぶ
民主党が自民、公明両党と廃止に合意したはずの子ども手当について「存続」をアピールするビラを配布したことをめぐり、民主、自民の「二大政党」に“あつれき”が生じ、終盤国会が思惑通りに進まない状態に陥っています。
民主党は18日朝から対応に追われました。安住淳国対委員長は自民党の逢沢一郎国対委員長と会談し、「大変ご迷惑をおかけしました」と陳謝。逢沢氏は、同日の民主党の岡田克也幹事長の会見の説明を踏まえ、対応を決める考えを表明しました。19日に民自公が合意していた再生可能エネルギー買い取り法案の衆院通過については「(説明次第で)凍結せざるをえない」と述べました。
民主党は急きょ、党所属国会議員と各都道府県連などに対しビラ配布を中止するよう文書で要請。岡田氏は会見で、法案成立前にビラを配布したことや、現行の子ども手当がそのまま存続すると誤解を与えかねないことをあげ陳謝しました。
しかし、度重なる陳謝も実らず結局、19日に予定していた参院本会議での特例公債法案の趣旨説明・質疑は中止。衆院でも再生エネ法案の質疑・採決を予定していた、経済産業委員会を取りやめ、来週に延期する事態に追い込まれました。
「二大政党」のあつれきは、首相の退陣問題の取引材料に子育て支援をもてあそんだことが発端。民主党が「誤解しないでください」とビラで弁明をせざるをえないのも、公約投げ捨てに対する世論が怖いからです。ところが、岡田氏の会見でも、「児童手当にそのまま戻ってしまうと受け取られかねなかったので、そこは正しく伝えたかったが、フライング気味になった」と述べるだけで、子ども手当を廃止し、給付減や負担増を押し付けることへの反省は聞かれませんでした。
■関連キーワード