2011年8月16日(火)「しんぶん赤旗」
日航
成績改ざん 解雇許せぬ
契約制客室乗務員裁判が結審
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日本航空の契約制客室乗務員の女性(27)=日航キャビンクルーユニオン(CCU)組合員=が退職強要のすえの一方的な雇い止めの撤回と職場復帰を求めた裁判が15日、東京地裁(古久保正人裁判官)で結審しました。判決は10月31日に行われる予定です。
裁判官が8月で交代となり、原告側と会社側の代理人がこれまでの主張立証を整理し、原告の女性が意見陳述しました。
原告代理人の山口泉弁護士は、日航の客室乗務員は当初、契約社員として入社し原則全員が3年後に正社員になる制度だと指摘。よほどの事情がなければ雇い止めが許されないと主張しました。
これまでの立証で、女性の1年目終了時の成績評価が、後から低く書き換えられていることが分かりました。成績が決裁された日にマネジャーは名古屋におり、決裁を受けることが不可能だったことも明らかにされました。山口弁護士は、「マネジャーはわざと原告の成績を落とし、理由にならないことで解雇にした」とのべました。
女性は、「入社半年で上司から『適性がない』と言われ、理由も答えてもらえなかった。『何も失敗しなくても評価できない』と言われた」と述べ、「ひとりの上司の一存で雇い止めが許されるのはおかしい。同じ思いを仲間や後輩にさせたくない。乗務に戻りたい」と訴えました。
会社側代理人は、「契約満了による雇い止めであり、成績が水準に達していないので当然だ」とこれまでの立証を無視した主張を行いました。
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