2011年8月13日(土)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
暑い。「『暑い』と言ったら罰金だ」と言われても暑い。「夏って、こんなに暑かったかなあ」と思ってしまう▼気のせいではありませんでした。最高気温35度以上の猛暑日を記録した観測地点が全国に広がり、熱中症の症状を訴え、病院に搬送される人が相次いでいます▼東京電力・福島原発の事故を受け、「節電」の夏。事業所や家庭もクーラーの使用を制限し、例年にない暑さを感じている人も多いはず。医療関係者は、冷房をがまんして熱中症になることに、注意をよびかけています▼猛暑で「節電」にも限度がある。それでもいくらかの役に立ちたいとあれこれ知恵をしぼる庶民。その心配をよそに東電は電力が余っているというから驚きです。ほかの電力会社に電力を融通できるほど余裕があるとか。東電の原発は17基。うち稼働しているのは3基。「原発を止めたら電力危機が起きる」という宣伝はいったいなんだったのか▼トヨタ自動車の「節電」対策もまか不思議。9月末までの3カ月間、木金を休みにし、土日操業。「電力消費を分散させる」ことが理由でした。しかし、9月のカレンダーは休みのはずの木曜も操業。残業もフルに実施し大震災による遅れを取り戻す構えです▼トヨタは世界で750万台販売、1兆円程度の営業利益の早期実現が目標です。「若い人たちに時間を気にしないで働いてもらう制度」を切望する専務の発言は「休日出勤」と同じ発想です。「過労死せよというのか」。労働者の怒りはおさまりません。