2011年8月13日(土)「しんぶん赤旗」
侵略美化教科書
自民、採択に躍起
全国ネット 警戒呼び掛け
侵略戦争美化の教科書が各地で採択されています。現在、1都1県5市1区で育鵬社の歴史や公民の教科書が、東京都の特別支援学校で自由社の公民教科書が採択されました。まだ多くの地区の結論が出ておらず、自民党などが強力に推していることから、予断を許さぬ状況が続いています。
自由社教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)のメンバーが中心になって作成。育鵬社教科書は「つくる会」を脱退した八木秀次氏を理事長とする「日本教育再生機構」と「教科書改善の会」が中心になって作成しました。
いずれも、歴史教科書は日本の侵略戦争を「自存自衛」のための戦争、「アジア解放」の戦争と美化・合理化しています。公民教科書は憲法を敵視、改憲を強調しています。
自民党は地方議員に育鵬社・自由社の教科書を採択させるための議会質問をさせ、決議をあげさせ、教育委員に働きかけさせるなど、党を挙げて侵略美化教科書の採択を図っています。
子どもと教科書全国ネット21は「このままではどこでも育鵬社・自由社が採択されるおそれがある」として緊急アピールを発表。問題点を地域の人々に知らせ、教育委員会に働きかけるなど採択阻止に全力を挙げるよう呼びかけています。
東京都杉並区では区民の運動で6年ぶりに「つくる会」系教科書を不採択にしました。
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