2011年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

原発耐震評価に誤り

福島第2 東電5カ月公表せず


 東京電力は福島第2原発(福島県富岡町、楢葉町)の耐震安全性評価が誤っていることをメーカーから3月に指摘されながら、これまで公表してきませんでした。東電が11日、経済産業省原子力安全・保安院に報告し、明らかになりました。

 耐震安全性の評価に誤りがあることがわかったのは、福島第2原発2号機です。同機で想定している地震に対して、設備がどのように揺れるかを計算した値の中に2カ所間違いがありました。

 1カ所は、原子炉圧力容器内の炉心を支える構造物にかかる力の計算結果で、もう1カ所は原子炉の運転を止める制御棒のずれがどれぐらいになるかの計算結果。どちらも計算しなおした値よりも1割程度少なく見積もられていました。

 2007年に改訂された原発の「耐震設計審査指針」(新耐震指針)にもとづく耐震安全性評価結果を09年に保安院へ中間報告として提出した際、この値が使われました。10年に中間報告の改訂版を保安院に報告した際にもそのままでした。

 東電によると、3月9日に日立GEニュークリア・エナジーから誤っている可能性があると報告を受けたといいます。その後、同社から7月25日にあらためて報告があり、詳細が明らかになったといいます。

 東電はまた、深夜に福島第1原発敷地内で作業を行っていた30代の男性作業員が11日午前1時ごろ体調不良を訴え、熱中症と診断されたことを明らかにしました。これまで同原発で働いていて熱中症もしくは疑いと診断された人は38人になります。





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