2011年8月11日(木)「しんぶん赤旗」

東日本大震災5カ月、8万7000人避難生活

生活再建支援いっそう切実


 東日本大震災発生から11日で5カ月を迎えました。死者・行方不明者は計2万人以上に上っています。被災者の暮らしの場は仮設住宅へと移りつつありますが、いまなお全国各地で約8万7000人が避難生活を強いられています。さらに東京電力福島第1原発事故による放射能汚染被害が、福島県はもとより岩手、宮城両県にも広がり、被災地に二重三重の苦しみとなってのしかかっています。それだけに生活再建・復興のための国の支援を求める声は、いっそう切実です。


 住まいの確保は、被災者の生活の基盤となる重要課題です。その中心となる仮設住宅は各県によると、岩手県は目標に近い1万3833戸が完成(10日現在)。1万戸以上が入居済みです。宮城県は必要数2万2054戸のうち1万7276戸(3日現在)が完成。福島県は必要数1万4200戸で1万2801戸(9日現在)ができています。

 しかし、仮設住宅は、軒が短いなど設備が貧弱。設置場所も交通の便が悪い所が多く、買い物にも困る状況です。さらに避難所で受けていた食料支援も受けられなくなるケースが大半です。

 岩手県山田町の仮設住宅に脳梗塞で体の不自由な妻と入居した男性(74)は「仮設敷地の砂利道は転びそうで危険だ。早く舗装して。生活も義援金では1年持つかどうか」と語ります。

 避難所暮らしが続く被災者も3県で1万人以上にのぼります。

 放射能汚染問題は被災地に追い打ちをかけています。内閣府によると福島県から県外に避難した人は4万8903人(7月28日現在)。その数は増える一方です。

 同県では農水産業全般に出荷停止や風評被害が拡大。内陸部でも局地的に放射線量が高い地域があり、目に見えない放射能の広がりに、市民らは不安を抱えています。

 岩手、宮城両県でも一部の肉牛や稲わらから国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され出荷停止の事態となり、農民運動全国連合会などが、東京電力に損害賠償を請求。日本共産党は、国や県に出荷停止解除のための安全管理体制の整備や補償などを求めています。 (森近茂樹)





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