2011年8月10日(水)「しんぶん赤旗」
非核地帯条約へ交渉再開
核の脅威ない東南アジアへ
ASEANと保有5カ国
【ハノイ=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)と核保有5カ国は9日、東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)議定書への署名に向けた非公式交渉をジュネーブで始めました。交渉が行われたのは2001年以来です。
議定書は、核保有国による条約加入国(大陸棚、排他的経済水域を含む)への核兵器使用、使用の威嚇を禁止。核保有5カ国が署名すれば、SEANWFZを順守する国際法上の義務を負うことになります。
ASEAN議長国インドネシアのユドヨノ大統領は9日、ジャカルタで開かれたASEAN結成44周年記念日の式典で演説し、議定書署名交渉の再開は「ASEANが共同体創設の基礎を固め、国際社会に貢献する突破口の一つ」だと強調しました。
これまで核保有国のうち米ロ英仏は、▽「核兵器使用と使用の威嚇の禁止」の適用領域に大陸棚と排他的経済水域を含めないこと▽核搭載が可能な艦船の通航と寄港に影響を与えないこと―を要求。中国は、領有権を争っている地域に適用しないことを求めてきました。
このうち中国の要求については、「条約と議定書は、いかなる国の領土にも影響を与えない」との文書を議定書に加えることで合意しています。