2011年8月10日(水)「しんぶん赤旗」

がれき処理法案可決

負担実質ゼロ 全会一致で

衆院復興特委


 東日本大震災で発生した大量のがれき処理を国の責任で行う特別措置法案が9日、衆院復興特別委員会で全会一致で可決されました。

 同案では、がれき処理を「喫緊の課題」と位置づけ、国の責務と明記。焦点となっていた処理費用の国庫負担率については平均95%(現在同86・5%)へ引き上げることを委員会決議に盛り込みました。財政力が弱く、がれきの量が多い地方自治体には考慮し、最大99%も可能とします。地方負担分は交付税で手当てするため、実質的にはゼロとなります。また、東日本大震災発生日までさかのぼって適用となります。

 条文には、処理作業に従事する労働者の適正な賃金確保などに関する統一的な指針の策定を明記。海のがれきについても早期に処理するよう定めています。自治体への概算払いの遅れについては委員会決議で「速やかな事務処理の下、迅速に支払う」としました。

 採決に先立つ質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は、すべての会派が参加した実務者協議の場で合意が得られた意義を強調するとともに、「全額国庫補助について与党の理解が得られなかったのは残念だが、交付税措置によって実質100%負担となるのだから、現場がスムーズに流れるよう政府の努力を強く求める」と述べました。

 全会派による修正協議は高橋氏が主張し、他党も賛同して実現しました。協議で高橋氏は、処理費用の全額国庫負担や煩雑な事務処理の改善、労働者の適正賃金確保やさかのぼって適用することを明記するよう求めてきました。





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