2011年8月9日(火)「しんぶん赤旗」
核廃絶・原発 多彩に議論
原水爆禁止世界大会 フォーラム・分科会開く
長崎市で開かれている原水爆禁止2011年世界大会は8日、国際交流フォーラムと18の分科会・動く分科会、高校生参加企画を開き、核兵器廃絶に向けた草の根の運動や平和、原発問題など多彩なテーマで活発に交流しました。
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国際交流フォーラム「核兵器全面禁止を―政府とNGO(非政府組織)の対話」には、各国政府代表や、世界と日本で草の根の運動をすすめる人たち約200人が参加し、核兵器廃絶をどのようにすすめるかを議論しました。
5人のパネリストが発言しました。キューバのアンドレス・G・バジェステル臨時代理大使は、キューバは核兵器禁止条約をつくることが最優先課題になっていると指摘。核兵器に使われている世界の資金を人々に使えば貧困や飢餓から救えると話しました。
エジプトのワリード・マームド・アブデルナーセル大使は、中東で非核兵器地帯を設置することが核兵器廃絶につながると強調。核軍縮に向けた国際的な協力がすすんでいるとのべ、「みなさんが積極的な役割を果たしている」と激励しました。
メキシコ外務省のセルジオ・ゴンサレス・ガルベス名誉終身大使は、核兵器廃絶を達成するためには、「核兵器保有国が核兵器を持つことは安全で、そのほかの国が持つことは危険だ」という考えはなくさなければならない、とのべました。
アラブ連盟のモハメド・エゼルディン・アブデルモネイム軍縮・戦略問題特別顧問は、核兵器は、全面的になくす以外に拡散はとめられない、と語りました。また、福島第1原発事故は原子力エネルギーについての国際的な課題を投げかけていると提起しました。
日本原水協の高草木博代表理事は、昨年5月に開かれたNPT再検討会議の成果を力に、核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際署名をすすめ、日本政府に条約の交渉開始のイニシアチブをとるよう迫る強力な世論をつくりましょう、と呼びかけました。
会場からは「『核抑止力』論にどう対抗していけばいいか」「ラテンアメリカ非核兵器地帯の達成はどのような教訓を残したか」などの質問が出され、交流しました。