2011年8月8日(月)「しんぶん赤旗」
避難家族を支えよう
東京 集いで厳しい実情語る
東日本大震災に被災し東京に避難してきた子どもと家族を支える集会が7日、東京都港区内で開かれ、約160人が参加しました。全国里親会、こどもの虐待防止センター、日本臨床心理士会、東京養育家庭の会、東京災害支援ネット、東京臨床心理士会が主催しました。
働く夫を福島県に残して、7、5、2歳の3人の子どもと暮らす母親。大型公共施設やホテルなど9カ所を転々としてきました。
「震災後、生きることに手いっぱいで、子どもに目を向ける余裕がありません」と不安や寂しさにつぶされそうな心境を語りました。「物、情報、人手の三つの『ない』を抱えるのが避難者」と支援を求めました。
福島県いわき市から避難した母親。息子が都内小学校になじめない時期がありました。「子どもにほほえんであげる時間もない。でも、子どもは親の状況を理解し、心細くても精いっぱい頑張っている」とのべ、子どもの生活や遊び、学習への支援の必要性を訴えました。
都内でスクールカウンセラーを務める臨床心理士の女性は、被災時のショックだけでなく、離れて暮らす家族、不安を抱える親の姿が子どもに大きなストレスを与えている、と話しました。
東京災害支援ネット(とすねっと)の山川幸生事務局長が、避難者の状況を報告。金銭や物資の支援のほか、子育てや教育のサポート、就労支援やこころのケアが早急に求められている、と強調しました。
参加者は、専門家による公的な支援センター創設を求める集会宣言を採択しました。