2011年8月7日(日)「しんぶん赤旗」
“原発マネー”交付財団の理事長
鹿児島県知事に献金
再選後に補助金
鹿児島県の伊藤祐一郎知事が2008年7月の知事選期間中、“原発マネー”の交付を受けている財団法人の理事長から選挙資金として100万円の寄付を受けていたことが6日、分かりました。この財団は県の補助金を受けており、自治体と特別の利益をともなう契約を結ぶ当事者から、当該選挙に関する寄付を禁じている公選法の規定(特定寄付の禁止)に触れる可能性があります。
08年知事選の選挙運動収支報告書などによると、寄付をしたのは財団法人「メディポリス医学研究財団」(同県指宿市)の理事長(52)。同年7月9日に、理事長の個人名で100万円が振り込まれました。
財団のホームページなどによると、財団は、理事長が社長の前臨床試験受託大手「新日本科学」(資本金約54億円)が中心になって06年3月に設立。知事選前の08年5月に「がん粒子線治療研究センター」を建設するため県に補助金を申請し、同知事が同年の知事選で再選を果たした後、県は財団への補助金交付を決定しました。
補助金は、08〜10年の3年間で総額24億円が交付され、11年4月、同センターは本格稼働しました。
財団は鹿児島県の認可を受けて設立されており、補助金交付などの経過と選挙資金の関係が注目されます。
しかも、同財団への補助金の原資は、文部科学省が放射線の研究推進のため原発立地自治体に交付している「エネルギー対策特別会計(電源開発促進勘定)」による「放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金」。電気料金に上乗せされて徴収された税金である“原発マネー”です。
伊藤知事は「友人からありがたくいただいた。法的にも道義的にも何ら問題はない」と話しています。
|
■関連キーワード