2011年8月5日(金)「しんぶん赤旗」
原発被害 仮払い早く
参院委で紙議員 東電への指導迫る
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日本共産党の紙智子参院議員は4日の参院農林水産委員会で、福島原発事故の被害を受けた農林水産業者への東電の仮払いが遅れていることを批判し、ただちに東電に支払わせるよう迫りました。
紙氏の質問に政府は、8月3日までに約521億円の賠償請求に対し78億円を仮払いし、風評被害についても11億円が支払われたことを明らかにしました。
鹿野道彦農林水産相は、原子力損害賠償支援機構法が成立したことなどをあげ、早く支払うと答えました。これに対し紙氏は「支援機構法が通っても簡単には進まない」と指摘し、提出書類が多く煩雑で請求をあきらめる農家が多数いることを示して、簡略化するよう要求。松下忠洋経済産業副大臣は「改善した」と述べました。
紙議員はまた、風評被害への仮払いは、個人からの請求書は受け付けさえしていないと批判し、東電を指導するよう迫りました。
松下経産副大臣が個人からの請求は「受け付けている」と答弁したため紙氏は、「実態は風評被害については請求するための書類すら用意していない」と指摘し、東電まかせの姿勢を批判しました。
さらに紙氏は、風評被害で電気料金が支払えなくなったキノコ農家に「送電停止」を通告した問題を追及。被害を与えた東電が、生産に欠かせない電気を停止することは許されないと述べました。
松下経産副大臣は「はっきりと(被害の)原因が特定されているから、東電をしっかり指導し、対応したい」と約束しました。
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