2011年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
注水停止なら1200度に
福島第1 東電が報告書提出
福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1〜3号機で、もし原子炉への注水機能が失われた場合、十数時間で炉心が1200度に達する危険性がある―。東京電力が3日、経済産業省原子力安全・保安院に提出した、現在の注水システムの状況についての報告書で明らかになりました。
報告書によると、8月1日時点の1〜3号機の損傷燃料が発する崩壊熱はそれぞれ820、1190、1220キロワット。その冷却に最低限必要な注水量は、それぞれ毎時1・1、1・6、1・7トンとなる計算です。東電は、(1)必要な流量を確保する(2)ポンプ故障や電源喪失などで注水できなくなった場合に早期に機能回復する―という観点から報告書をまとめました。
その結果、ポンプの故障や電源喪失、冷却水の喪失、配管の損傷などがあっても、予備の系統を使って1時間程度で注水が再開でき、複数の設備が同時に故障した場合は3時間程度で再開できるとしています。
これにたいして燃料の温度は、注水が停止すると1時間あたり62〜67度のペースで上昇。大きな発熱や水素発生をともなう「水・ジルコニウム反応」が急激に進展する1200度に到達するのに、1〜3号機がそれぞれ15、14、13時間かかるとしています。
一方、耐震安全性については、原子炉注水のような安全上最も重要な機器に求められる条件を満足していないことを明らかにしました。