2011年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
がれき処理法案の与野党修正協議
国は全額補助を
共産党 作業の適正賃金を要求
東日本大震災で大量に発生したがれきの処理を迅速に進めるため国が直轄で行う法案が現在、衆院東日本大震災復興特別委員会で審議されています。政府案と自民、公明、みんな、たちあがれ日本の4野党が提出した案の二つがあり、日本共産党も加わって与野党の修正協議が行われています。
がれきの処理は、これまで地方自治体が行い、国は費用の9割を補助する形で進められてきました。費用負担について審議中の政府案では1割の地方負担を残し、4野党案では国の10割補助となっています。
日本共産党の高橋ちづ子議員は2日の復興特別委員会で、「一刻も早いがれきの撤去が復興への大前提」と主張。国の自治体に対する概算払いは4件208億円にとどまっているが、煩雑な事務手続きが問題であり、速やかに支払うことと、国庫補助10割を強く要求しました。
3日の与野党の修正協議で、与党は「速やかに支払う」点を採用する意向を示す一方、廃棄物処理は「自治事務」だとして地方負担を求める立場に固執。国の補助率について野党は、がれき処理が遅れれば人口や産業の流出につながるとして、そろって全額補助を要求しました。
処理作業に従事する労働者の適正な賃金確保についても統一的な指針を策定する4野党案を尊重することを求めました。
これについても高橋氏は2日の委員会で要求。法案提出者である自民党の小里泰弘議員は、「(適正な賃金の)指針を定めるだけでなく、しっかり運用されるようチェックしながら対応すべきだ」と答弁しました。
岩手、宮城、福島の被災3県のがれき推計量は2260万トン。うち、仮置き場への搬入でさえ975万トンと5割にも達していません。 (藤川良太)