2011年8月4日(木)「しんぶん赤旗」

核兵器禁止条約交渉へ討論

原水爆禁止2011年世界大会・国際会議始まる

運動と世論広げるとき


 原水爆禁止2011年世界大会・国際会議が3日、広島市で始まりました。3日間の予定で、初日は250人余が参加。核兵器禁止条約の交渉の必要性が世界の現実的課題になるなか、世界と日本の反核平和運動の代表に政府代表も加わって、核兵器全面禁止へ次のステップを踏み出す世界的な運動の前進方向を議論しました。全日程で25カ国から88氏の海外代表が参加する予定です。


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(写真)核兵器廃絶へ向けた運動について話し合う、国際会議の参加者たち=3日、広島市中区

 開会総会で、日本原水協の沢田昭二代表理事が主催者あいさつし、日本被団協の児玉三智子事務局次長が被爆者あいさつ。地元・広島市の松井一実市長、エジプト、マレーシア、アラブ連盟の政府代表がそれぞれあいさつしました。

 このあと、「核兵器廃絶の達成、核兵器禁止条約の交渉開始、世論と運動の前進を」(第1セッション)と、「核兵器廃絶と平和、環境、エネルギー、暮らし」(第2セッション)をテーマに議論しました。

 第1セッションで5人が問題提起。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)オーストラリア担当理事のティム・ライト氏は、2万発ともいわれる核兵器を国際的な条約で禁止するという交渉を開始すべき論拠は多くあり、廃絶は焦眉の課題だと強調しました。ドイツ平和協会・戦争抵抗者同盟のマリオン・キュプカーさんは、核兵器のないドイツをスローガンにアメリカ核兵器の撤去運動が欧州連合(EU)全体に広がっていると報告しました。

 日本原水協の安井正和事務局長は、放射能の被害と核エネルギーの危険性について国民的な認識が新たになったいま、「原爆も原発もいらない」という声がどこでも聞かれるとのべ、核兵器廃絶はいっそう切実だとして、大会を結節点に住民ぐるみの署名運動を全国的に取り組むことを呼びかけました。

 その後、海外代表も含めて活発に討論。日本共産党の緒方靖夫副委員長は、「核兵器のない世界を実現するたたかいは、運動と世論の攻勢を強めるべき時を迎えている」と訴えました。

 海外代表からは、震災と原発事故の被災者にたいして、お見舞いの言葉がのべられるとともに、原発からの撤退など原発と原子力についての報告・発言がありました。

 世界大会には、メキシコの大統領、ラオスの大統領、マレーシアの首相、エジプトの外務大臣、ノルウェーの外務大臣からメッセージが寄せられています。





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