2011年8月3日(水)「しんぶん赤旗」

東アフリカ大干ばつ

「飢餓数十万人に」


 国連のバレリー・エイモス国連事務次長(人道問題担当)は1日、大干ばつが発生したソマリア南部2地域での飢饉(ききん)ですでに数万人が死亡し、国際社会が対応できなければ、さらに数十万人が飢餓に直面すると警告しました。


「14億ドル必要」支援訴え 国連が警告

 エイモス氏は国連本部での会見で、「援助を増やさなければ飢饉はさらに拡大する」と述べました。

 飢饉の背景について、エイモス氏は、昨年のソマリアを含むケニアやエチオピア、ジブチなど東アフリカ地域を襲った干ばつを指摘。同地域で人道支援を必要とする人々は過去60年で「最悪」の1240万人にのぼると述べました。内乱で無政府状態にあるソマリアは特に深刻な事態となりました。

 国連は今年7月20日、ソマリア南部での飢饉を宣言。370万人が飢餓を迎えると予測していました。

 昨年には、同地域への干ばつ援助として国際社会に16億ドル(約1248億円)の資金の提供を呼びかけましたが、これまでに集まったのは半額。先週、支援国が10億ドルの援助を約束しました。

 「それでは不十分、救援組織が対応できる規模にするためには、ただちに14億ドルが必要だ」とエイモス氏は訴えます。

 アフリカ開発銀行のドナルド・カベルカ総裁は、ロイター通信のインタビューに応え、ソマリアの事態について、国際社会がソマリア内戦を終結させることに失敗したことと、この地域で繰り返される干ばつへの「緩慢な対応」の結果だと非難しました。





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