2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

日本共産党創立89周年記念講演会

3県委員長のあいさつ


 日本共産党創立89周年記念講演会での東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県委員長のあいさつを紹介します。


献身的な救援 人間的集団の党

岩手県委員長 菅原 則勝さん

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 3月11日に発生した大震災・津波被害に対して、全国からのご支援に心から感謝を申し上げます。(拍手)

 県内の被害は、死者4614人、行方不明者2269人、うち死亡届の受理数672人、家屋の倒壊2万4535棟、避難所で生活している方は4892人です。

 仮設住宅のお線香の香りが物語るように、被災者、県民の傷痕は、いまだに癒えている状況ではありません。しかし、多くのみなさんが、明日への希望を持ち、力強く復興に立ち上がってきています。

 全国のみなさんの協力を得て「無料青空市」、憩いの場になっている「お茶っこの会」開催や、被災者の要求を聞く活動をさらに強めたい。被災者に寄り添い、「被災者の生活基盤の再建こそ復興の土台」「上からの復興押し付け許さない」の見地で全力あげる決意です。

 救援活動を通じて「日本共産党とは何か、党員とはどうあるべきか」を教えられました。県内の党員の死亡21人、行方不明9人です。及川一郎陸前高田市議をはじめ、最後まで住民の避難誘導にあたり、尊い命を津波で流された同志もいます。

 被災地の議員は「津波の恐ろしさ、無情さ、悲しみの深さを埋めることは私の心ではできません。しかし、被災者の方が毎日少しでも和らいでいけばいいと思って支えています」と述べています。斉藤信県議は毎週被災地に出向き、奮闘しています。多くの地方議員、党員が、自らの被災も顧みず、献身的な活動を行ってきました。

 命をも顧みず、私心なく活動する。人間らしい生活を求め、人間らしく生きるために活動する。それはもっとも人間的であり、ヒューマンな姿だと思います。その集団こそ日本共産党です(「そうだ」の声)。悲しみは尽きることはありませんが、創立89周年にあたり、日本共産党は日本の社会にとって、日本の未来にとって宝だと痛感しています。(拍手)

 岩手は延期選挙の真っ最中です。勝利めざし、奮闘する決意です。(拍手)


被災者主役の復興 地方選全力

宮城県委員長 中島 康博さん

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 東京をはじめ全国のみなさんのボランティア、物資の支援に心から感謝申し上げます。

 死者・行方不明者をふくめ宮城県民1万1800人余の命を奪った大震災から5カ月近くになりますが、県民の生(なり)業(わい)はいまなお深刻です。

 党のよびかけによる救援ボランティアが宮城県に約6千人入っています。私たちは被災者によりそい、「物資のお届け」「要望の聞き取り」「泥だし」活動などにとりくんでいます。訪問すると、物資の不足、生活環境の改善、将来の不安についてせきを切ったように訴えられます。

 石巻市では7月20日の市議会で、市民から出された要望にもとづいて、わが党の水沢冨士江市議が質問を行い、仮設住宅の玄関にも網戸が設置されることになりました。亘(わた)理(り)町(ちょう)でのイチゴ農家の泥だしでは、「農業を続ける希望がわいた」と感謝されています。

 全国の支援を受けた私たちの救援・復旧をめざす活動が、被災者のみなさんの生きる力、将来への希望になっています。(拍手)

 宮城県では延期された地方選挙が8月、9月に行われます。

 救援や復興、原発問題をどうするのか、被災者の声、市民の声で政治を動かす選挙にしなければならないと決意しています。仙台市では、津波被害とともに宅地被害が大きく広がっています。共産党も支援して被害者の会をつくり、宅地被害に公的負担を求めて全力をあげていますが、仙台市は国に要望するだけで、予算をつけようとはしていません。

 今度の市議選で共産党を現状の6から7議席に躍進させ、この力で公費負担を実現させるなど、被災者主役の救援・復興を進める機会にしなければなりません。(拍手)

 同時に県民の暮らし、生業にかかわる復旧にむけたとりくみはほとんど進んでいないことから、「国も県も市政も何もやってくれない」との声がきかれます。私たちは、政治と政党のあり方を堂々と訴え、頑張りぬく決意です。(拍手)


原発反対貫いた党に 広い共感

福島県委員長 久保田 仁さん

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 昨日の福島市議選、4人全員の当選を勝ち取り、原発事故以来、9市町村で15人全員の当選を勝ち取って、この場に立つことができました。全国からのご支援に心からのお礼と感謝を申し上げます。(拍手)

 選挙結果の一番の特徴は、投票率が過去最低の42・36%となった中で、日本共産党が初めて得票率で10%を超え、4人全員の当選を勝ち取ったことです。

 民主党は2から1に後退、自民党も3から1、社民党も3から2に後退しました。

 わが党は参院比例票から1116票増、得票率は前回比1・46ポイント増の10・44%で4議席を確保しました。この結果は、未曽有の危機の中で、わが党が国民の中に打って出るならば、前進しうる可能性が大いにあることを示した結果だと思います。

 ほとんどの候補者が原発や放射能の問題をとりあげましたが、一貫して原発に反対し、安全性を求めてきたわが党への共感が広がりました。原発事故や放射能汚染の賠償問題を訴えたのはわが党だけです。賠償問題は、米国と財界いいなりという政治の「二つの異常」が具体的に問われる問題だからです。日本の改革の方針を示す綱領をもつ党だからこそ、堂々と主張して力を発揮したと確信しています。

 県は「原子力依存からの脱却」に踏み出しました。原発ゼロの声をさらに大きくし、「安心して住み続けられる福島県」をとり戻すため、徹底した放射線量調査を行い、徹底した除染を実施させていく、そして、その責任と負担は東電と国に求めていく(「そうだ」の声、拍手)たたかいと運動を強めたいと思います。

 7月、原発事故による避難者の中から初めて入党者を迎え、5人の方が入党を決意しました。わが党のボランティア活動や東電相手の賠償請求のたたかいを通じて、新しい社会をめざして入党を決意していただいたことは、大きな喜びです。

 党建設に力を尽くし、引き続く選挙で必ず勝利する決意です。ありがとうございました。(拍手)





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