2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」
参院選挙制度改革問題
比例代表中心の制度に
市田氏会見
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日本共産党の市田忠義書記局長は1日の記者会見で、参議院の選挙制度改革について、この間の参院正副議長と各派代表者による検討会の議論を踏まえて党の基本的立場を明らかにしました。
市田氏は、今回の選挙制度改革は2009年の最高裁判決で1票の格差が5倍前後に達している参院の選挙区定数について仕組み自体の見直しを提起したからだと指摘。日本共産党として、憲法の求める「1票の価値」の平等を実現するため、「定数格差の抜本的是正」を図ることを大前提に、▽選挙制度のあるべき基本は、多様な民意を議席に正確に反映する制度にすること▽総定数や比例定数の削減など制度改悪は許されない▽拙速にならずに徹底した議論を行い、各派代表者会議の場での多数決で決めるべきではない―との基本的見地から対応してきたと述べました。
市田氏は、第1回検討会で西岡議長が、総定数を減らさず、全国9ブロックの非拘束名簿式比例代表制度に改める「たたき台の案」を示し、2回目の検討会で総定数を42削減し200にする別の案を示したことに言及しました。
西岡議長は第1回検討会で「今回の制度改革の根幹が『1票の格差の抜本的是正』である。定数削減と1票の格差是正を同時に行うのは難しい」と述べ、OECD(経済協力開発機構)諸国における議員定数を示し「日本の議員定数は多いわけではなく、少ないほうに属している」との見解を表明していました。
市田氏は「この第1回の西岡議長見解には道理がある。議員定数削減を行わずに1票の格差の是正を実現する立場を貫くべきだ」と強調しました。また、「多様な民意を正確に議席に反映するために得票数が議席に正確に反映される比例代表を中心とした制度とすべきだと主張していきたい」と述べました。
市田氏はその上で、「各党があれこれ具体案をぶつけ合う前に基本的考え方についての突っ込んだ議論が必要だ。例えば最高裁の判決をどう評価し、1票の格差是正にとって何が大事かなど、基本的考え方についての一致がないとまとまりようがない」と指摘。さらに、選挙制度の国民的権利の問題であり、オープンな議論の場が必要だとして「国会の委員会など国民に開かれた場での議論を行い、議事録なども残るようにするべきだ」と強調しました。
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