2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
夏休み真っ最中の子どもたち。長い休みは、普段できないことに挑戦する良い機会です。親子でゆったり触れ合う時間も大切にしたいところです▼一方、幼稚園児や小学生の母親からは「朝から晩まで兄弟げんか」「あっという間に食事の時間で、料理と後片付けに追われる」「今晩のおかずをどうするか、毎日頭が痛い」といった悲鳴も聞こえてきます▼献立は何にするか、栄養バランスは大丈夫か、好き嫌いをどうしよう、食べる量が少ない…。子育て中は食事の悩みが尽きないもの。給食のありがたさが身にしみる、という声もよく聞きます▼自称「ナマクラ流ズボラ派家庭料理研究家」の奥薗壽子(としこ)さん。簡単でおいしいレシピと“手抜きテクニック”が、多くの人の支持を得ています。そんな奥薗さんも息子さんが幼いころは、きちんと食事をとらないことにイライラし、なんとか食べさせようと必死になっていたそうです▼「食べなさい」と言えば言うほど、かたくなに口を結んでしまう息子…。そんな日々を続けるなかで、食事の内容だけではなく、母親がイライラせず、一緒に楽しく食べる時間こそが、子どもにとって大切だと痛感したと言います▼そうした経験が、料理が負担にならないよう上手に手を抜き、母親に時間と心の余裕をもたらす料理の数々を生み出しました。塾や習い事、長時間労働…。今の世の中、子どももおとなも慌ただしい毎日ですが、笑顔で食卓を囲める楽しい時間を、たくさんつくっていきたいものです。