2011年7月31日(日)「しんぶん赤旗」

イスラム主義者数万人集会開く

エジプト


 【カイロ=伴安弘】エジプトの首都カイロの中心部タハリール広場で29日、イスラム主義組織「ムスリム同胞団」と、より保守的なイスラム主義のサラフ主義者が呼び掛けた集会が開かれ、数万人が参加しました。

 同広場では、非宗教・市民国家を求める青年組織らが8日から、軍事政権に対し民主的改革の推進を求めて座り込みを行ってきました。この日も青年組織らが集会に参加しましたが、数の上では全国動員したイスラム主義者が圧倒しました。

 イスラム主義者らは早朝から広場に押しかけ、「神の法の実施を」「イスラム国家を」と唱和し、イスラム法の適用を求めました。

 報道によると、集会の数日前に、イスラム主義者を含め、左派、リベラル各組織など26の政党、運動、グループが、民主的改革推進の統一行動を行うことで合意。▽民間人に対する軍事裁判の停止▽ムバラク前大統領ら前政権幹部の迅速・公正な裁判を保障する特別法廷の設置▽最低賃金、最高賃金の設定―などの要求で一致しました。新憲法を人民議会選挙の前に制定するかどうかという不一致点は脇に置かれたといいます。

 この日も広場の演壇から「統一」が呼び掛けられましたが、参加者の多くはイスラム主義者のスローガンを唱和しました。イスラム主義者らは「シャリア(イスラム法)が主要な法源」と規定した現憲法第2条が改変されることへの危機感を抱いているといわれています。


 サラフ主義者 イスラム教の預言者ムハンマドが伝えた7世紀ごろの教えに回帰することを主張する同教スンニ派の保守的なグループ。5月にエジプトの首都カイロにある二つのキリスト教会に放火。キリスト教徒とイスラム教徒が衝突し、双方に死傷者を出しました。





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