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2011年7月31日(日)「しんぶん赤旗」
制御システム欠陥
中国鉄道事故 当局者が明かす
【北京=小寺松雄】中国浙江省温州市で起きた高速鉄道列車追突事故の原因について、信号装置とは別に列車運行管理センターの制御システムに重大な欠陥があったことが分かりました。中国メディアが30日、鉄道省当局者の発言として報じました。
それによると、落雷で温州南駅の信号設備が故障し、先行列車が徐行しました。このとき運行管理センターでは、データ収集ソフトの欠陥で制御システムが機能せず、後続列車に進行を指示する青信号を表示しました。
これまでの鉄道省の発表は「駅の信号設備の欠陥」でしたが、今回は列車運行システムの不備で後続列車の制御ができなかったことに言及しました。
また同当局者は、追突した列車が本来は先行しているはずで、こうしたダイヤの乱れが信号の発信の誤りに結びついたことも認めました。このため今後の原因追究の重点は、列車の制御システムの解明に置かれることになります。
ただ中国メディアは、この発言者を明らかにしていません。鉄道省の正式の記者会見も24日以来ないままで、温家宝首相が指示する「原因解明過程での公開・透明の原則」が欠落しているという現状は変わっていません。