2011年7月29日(金)「しんぶん赤旗」
原賠機構法案を可決
「東電を救済」共産党反対
衆院
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福島第1原発事故の損害賠償に対し、国民負担で東京電力を救済する原子力損害賠償支援機構法案と、東電に代わり国が仮払いを行う法案が28日、衆院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決され、参院に送付されました。
日本共産党の高橋ちづ子議員は衆院本会議の反対討論で、「迅速で全面的な賠償を行うため、東電は莫大(ばくだい)な内部留保をはじめ全資産を放出し、株主、金融債権者などステークホルダー(利害関係者)に責任と負担を求めるべきだ」と主張しました。支援機構法案には、社民党、みんなの党も反対しました。
高橋氏は「法案は、東電を債務超過させずに存続させることを大前提とし、『必要があれば何度でも援助』するという閣議決定を具現化したもので、大株主やメガバンクの負担と責任をいっさい問わない異様な東電救済策だ」と批判しました。
また、民自公3党の「修正」によって、2兆円の交付国債が不足した際、新たに税金投入ができる仕組みが盛り込まれたことをあげ、「際限のない税金投入の仕組みがつくられたことは重大。原発事故の賠償対象者が賠償金の一部を自分で支払う矛盾が生じかねない」と指摘しました。
高橋氏は、支援機構が仮払いの実務まで実施でき、原発の継続を前提にしていることを批判し、「国の責任は、『安全神話』をふりまいて原発を推進してきた反省にたって、東電に全面賠償を行わせ、原発ゼロに向け期限を切った取り組みを進めることだ」と強調しました。 (反対討論詳報)