2011年7月29日(金)「しんぶん赤旗」
雇用 1カ月延ばした
宮城・ソニー期間工
ソニーが東日本大震災の被害を理由に仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)の期間社員150人全員を雇い止めにしようとしている問題で27日、ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)との団体交渉がおこなわれ、雇用契約打ち切りの期限を決めず8月末まで1カ月、雇用を延長することに合意しました。
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契約更新に道
ソニーは5月(職場によって6月)、期間社員に対し、3カ月契約を1回だけ更新し、雇い止めとすることを通告、7月末までに同意するよう求めていました。
期間社員は22人がソニー労組に加入して交渉をつづけ、同意を拒否したまま暫定的に1カ月ずつ雇用延長させていました。会社側は雇い止め方針を変更せず、今回の交渉では、8月末をもって雇い止めされる可能性がありました。
しかし、被災者を大量解雇することへ世論の批判が高まるなか、ソニーは「契約更新なし」という条項を設けず、1カ月の雇用延長を提案しました。今後の交渉によっては8月以降も契約更新される道が開かれたものです。
ソニー労組仙台支部の松田隆明委員長は、「団結してかちとった、小さいようで貴重な成果です。さらに世論を広げ、正社員化をかちとりたい」と語っています。組合員も「これでまた1カ月たたかえる」と決意を新たにしています。
期間社員たちは、ほとんどが5年以上も偽装請負や派遣社員、期間社員として働いてきており、本来、正社員として雇用すべき人たちです。
ソニーの解雇問題は、日本共産党の山下芳生参院議員が22日に国会で「政府の復興構想会議に委員を出しているソニーが被災地で首切りをするなんて許されるのか」と質問し、菅直人首相が「震災を理由とすれば解雇や雇い止めは無条件に認められるものではない」「事情を関係者に聞く」と答えています。さらに山下議員は27日、細川律夫厚生労働相にソニーへの指導を要請、高橋ちづ子衆院議員とともに同省労働基準局にも要請していました。
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