2011年7月27日(水)「しんぶん赤旗」
「牛内臓も追跡対象」
セシウム問題 紙議員に農水副大臣
参院農水委
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肉用牛から放射性セシウムが検出された問題をめぐって、篠原孝農水副大臣は26日の参院農林水産委員会で、内臓系部位について流通ルートが追跡できるトレーサビリティ制度の対象となるよう「可及的速やかに検討する」と表明しました。参院農林水産委員会で、日本共産党の紙智子議員の質問に答えたもの。
ホルモンやモツなどの内臓系部位は、家畜に割り当てられる個体識別番号表記の対象外となっており、流通履歴の把握が困難です。
紙氏は「(放射能汚染が)わからないまま食べてしまったら、内部被ばくにつながる。国民の健康にかかわる重大問題だ」と述べ、対象に加えるようもとめました。篠原副大臣は「トレーサビリティの実施状況を踏まえて検討する過程で(対象とするよう)考える」と述べました。
さらに紙氏は、肉牛生産者に対する農水省の指導の不備を告発。農水省が3月19日に出した「乾牧草」の管理についての通知では、対象地域が官邸のホームページを見なければ確認できないようになっているとして「農水省、国の責任は明確だ」と主張しました。
鹿野道彦農水相は「結果として周知されなかった反省にたって、今後は農家にいきわたるようにする」と述べました。
紙氏は政府の責任で全頭検査を実施し、農家への総合的な経営支援を実施するよう要求。篠原副大臣は「東電の賠償にし、農家の負担にはならないようにする」と答弁。鹿野農水相は「農家に実質的な負担がかからないようにする」と述べました。