2011年7月26日(火)「しんぶん赤旗」
阪神・淡路大震災
援護資金 返済免除を
山下議員
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参院本会議で25日、自然災害で亡くなった人の遺族に支給される災害弔慰金の対象を兄弟姉妹に拡大する法律の改正案と、被災者生活再建支援金の国庫負担を5割から8割へ引き上げる法律の改正案がそれぞれ全会一致で可決しました。
これに先立つ参院災害対策特別委員会の質疑で日本共産党の山下芳生議員は、災害時に市町村が被災者に貸し付ける災害援護資金(350万円)について、阪神・淡路大震災(1995年)の被災者が貸し付けを受けた5万8106件のうち、未償還が1万4849件と、4人に1人が未償還(2010年3月末時点)となっていることを示し、償還免除にすべきだと求めました。
山下氏は、返済に行き詰まり、年金を担保にサラ金から借り入れしなければならなかった人や、連帯保証人の友人に迷惑をかけられないと、月7万円の生活保護費の中から3千円ずつ返し続けて亡くなった人がいることを紹介しました。
その上で、(1)低年金の高齢者や生活保護世帯などは償還免除にする(2)東日本大震災では保証人なしで借りられるようにしており、阪神・淡路の場合も借り受けた本人が死亡・破産・行方不明のケースは、連帯保証人の返済を免除するよう求めました。
平野達男防災担当相は「(東日本大震災では償還期限+10年経過後に免除という)償還免除事由の拡大を打ち出している。そこを横にらみしながら、検討すべき課題だ」と答弁。一方で、「債務免除すると不公平感も出てくる」とのべました。
山下氏は「阪神・淡路大震災では住宅再建などで個人補償がいっさいなかった。したがって災害援護資金を借りるしかなかった。個人補償をしなかった政治の責任を胸に刻んで考えていただきたい」と強調しました。
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