2011年7月26日(火)「しんぶん赤旗」
国は東電応援団か 高橋議員
賠償金仮払い
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日本共産党の高橋ちづ子議員は25日の衆院復興特別委員会で、福島原発事故の賠償金を国が仮払いする法案について、東京電力の責任があいまいにされ、国だけが金を出すことになりかねないとただしました。
高橋氏は、法案提出者の自公両党に対し、事故を招いた歴代政権の責任は重大だと指摘。自民党の森まさこ参院議員は、「重大な深刻な責任がある」、公明党の浜田昌良参院議員も「推進してきた責任がある」と認めました。
高橋氏は、仮払い法案と、東電を救済する原子力損害賠償支援機構法案が成立すれば、東電は国が支援する機構から資金援助してもらうことになり、「国だけがお金をだすことになるのではないか」と指摘。海江田万里経済産業相が、「支援機構法が成立すれば、(東電の)資金繰りの不安がなくなる」などと答弁したのに対し、高橋氏は、東電に仮払いをきちんと払わせるよう強く求めました。
さらに高橋氏は、「遅い、狭い、少ない」東電の仮払いを改善するというが、国の紛争審査会の指針の範囲に限定しているため、解決するものになっていないと強調しました。指針にもれたものは、基金で救済するというが、(1)福島県にしか基金がない(2)後で指針に盛り込まれたものだけ東電に求償できる、という点で救済範囲は広がらないと指摘。県や市町村が関与して支払いをしたものは、積極的に指針に取り入れ、東電に仮払いさせるべきだと迫りました。
森氏は、「おっしゃる通りだ。指針には不満がある」と答弁。高橋氏は、「ところがこのスキームでは指針の枠から出ておらず、国が単なるスポンサーになり下がってしまう」と指摘しました。