2011年7月25日(月)「しんぶん赤旗」
「雇用守り復興へ」願いこめ
宮城・「気仙沼お魚いちば」
被災店舗が新装オープン
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「港町気仙沼ににぎわいと憩いを戻そう」―。宮城県気仙沼市で24日、水産加工品販売とレストランを兼ねた「気仙沼お魚いちば」が、東日本大震災で被災した店舗を新装オープンしました。マグロ解体即売会や氷点下ビールの販売、金魚すくいなどが行われ約200人が訪れました。
「お魚いちば」を経営する「阿部長商店」の阿部泰浩社長は、震災で工場が流されるなどの被害を受けましたが、「復興と雇用を守ることは一体」という信念のもと従業員を解雇せず再起を目指してきました。
新装オープンの式典で阿部社長は、「われわれが一日でも早く立ち上がることが地元水産加工会社の復活の兆しとなる。今後は観光の拠点としての役割を果たしていきたい」と述べました。
新装した店舗を訪れた男性(63)は「復興のきっかけになればうれしいね」とにっこり。東京から帰省した女性は、「少しでもお役に立ちたいと思い、買い物に来ました」と話しました。
「阿部長商店」傘下の「気仙沼ホテル観洋」支配人の小野寺大輔さん(41)は、「観光を起点に水産業と街を復興させるとの社長の期待に応え、社員700人とともに前向きにがんばりたい」と話しました。