2011年7月25日(月)「しんぶん赤旗」
民主化推進へ市民デモ
143人負傷 軍政支持派と衝突
エジプト
【カイロ=伴安弘】エジプトの首都カイロで23日、民主化推進と軍事政権の退陣を求めるデモ隊に軍事政権支持の市民らが投石を始めたのをきっかけに衝突が起こり、保健省の発表によると、少なくとも143人が負傷しました。
この日、首都中心部のタハリール広場から数千人が国防省に向けてデモ行進。「人々は軍将軍らの退陣を望んでいる」と叫び、軍最高評議会のタンタウィ議長の辞任を要求。また「平和的に」と唱和しながら歩きました。
これに対し、軍政支持派の市民が石と手製の爆弾を投げつけたため、デモ隊側も投石で応えました。軍の治安部隊はデモ隊が国防総省に近づくのを阻止するため空に向けて威嚇発砲しました。
この日は王制を打倒した1952年の無血軍事クーデターの記念日で祝日でした。タンタウィ議長はこの衝突が発生する前に、1952年革命を記念してテレビで演説。国の民主化と総選挙の実施を改めて約束し、「エジプトを近代的な市民国家にする」と述べていました。
タハリール広場やエジプトの他の都市の広場では8日以来、軍事裁判の停止、改革の推進と、文民内閣へのいっそうの権限付与を求めて青年らが座り込みこみを続けています。
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