2011年7月25日(月)「しんぶん赤旗」

2次補正予算案きょう参院採決


共産 実態示し、政治動かす

民・自公 被災者より政局

 東日本大震災から4カ月余。2度目の震災対策を盛り込んだ2次補正予算案が25日に参院で採決されます。4日間の審議で浮かんだ各党の姿とは―。

退陣のため賛成

 「ツウレイト、ツウリトル(遅すぎる、少なすぎる)」「焼き肉屋にいったのにキムチしかなかった」

 2次補正予算案について自民、公明両党はこう非難しました。一方で「納得いかないが必要性は認めないものではない」(自民・小泉進次郎衆院議員)と、菅直人首相退陣を優先させるため2次補正予算案に賛成しました。

 自公両党は被災者の願いより、首相が退陣条件の一つにあげる2次補正予算案をさっさと通すことが重要。賛成討論で「新しい総理の下で3次補正予算を含め本格的な復興に向けた体制を一日も早く構築されることを期待する」(公明・遠山清彦衆院議員)とのべたほどでした。

 日本共産党は、補正予算案の最大の問題は東電救済の枠組みであり、「賠償資金を公的資金と電気代の値上げという国民負担でまかなうものだ」(笠井亮衆院議員)と批判。東電と株主、金融機関などの負担で全面賠償を行うべきだとし、2次補正予算案に反対しました。

「3次」に先送り

 被災者後回しの自公両党に後押しされ、政府は、ガレキの仮置き場への搬入さえまだ34%なのに「内閣としてやるべきことは基本的に前進している」(菅首相)と自画自賛。切実な要求も「3次補正で考える」と先送りする答弁を繰り返しました。

 この無責任な政府の姿勢を追及したのが日本共産党でした。

 塩川鉄也衆院議員は漁業・水産業の一体的普及について質問。首相が「(政府内で)つめてもらいたい」といってすませようとしたのに対し、「自助努力は難しい」と訴える地元の声を示して「2次補正の予備費8000億円を使えばすぐにできる」と追及。首相は「予備費もあるので必要あればきちんと対応したい」と答えざるをえませんでした。

 液状化対策を怠ってきた政府の責任も追及。首相は「新たな制度も含めて検討が必要だ」と答え、「液状化救済法案を検討」といっせいに報じられました。

原発継続に固執

 首相の「脱原発依存」発言で自民党は「国の方向を見誤る」「新成長戦略から原発を外すのか」(小池百合子衆院議員)と批判。公明党は「総理は公明党、自民党が原子力を推進してきたというが、今回の事故は国に責任がある」(池坊保子衆院議員)と責任転嫁に終始しました。

 民主党も「サミットで首相は、原発をエネルギー4本柱の一つといった。これが政府の基本的な考え方のはずだ」(近藤洋介衆院議員)と追及するなど民自公ともに原発に固執する姿勢でした。

他党議員も声援

 日本共産党は、政府が掲げる安全性の確認さえできていない原発再稼働は到底認められないと追及しました。

 九州電力による玄海原発再稼働をめぐる“やらせメール”問題では、「政府が直接徹底糾明し、関係者に責任を取らせるべきだ」(笠井議員)と追及。九電の真部利応社長は引責辞任の意向を表明しました。

 「いい質問だった」と他党議員もうならせたのは、ソニー仙台工場の非正規社員の大量解雇問題を取り上げた山下芳生参院議員の質問。「政府の復興構想会議に委員を出しているソニーが、被災地で首切りするなど許されるのか」との追及に、他党議員も「復興委員を雇い止めにしろ」と声を上げ、渋っていた首相も「事情について(ソニー)関係者にお聞きしたい」といわざるをえませんでした。





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