2011年7月22日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 1798年の7月21日、ナポレオン率いるフランス軍は、エジプトのギザに着きました。ピラミッドやスフィンクスの町です▼ナポレオンは、兵士たちをふるい立たせます。「ピラミッドの頂上から“4千年”が諸君を見下ろしている」。フランス軍は当日、エジプトを支配していたトルコ系のマムルーク朝の軍を破ります。「ピラミッドのたたかい」です▼世界でもっとも古く文明がおこった地の一つ、エジプト。しかし、紀元前6世紀のペルシア、同4世紀のアレキサンダー大王による征服からは、時の大国、強国に入れ代わり立ち代わり支配されました▼ナポレオンの侵攻はエジプトの近代化を促した、といいます。フランス軍が退いたあと、さまざまな形で自立・独立への試みが始まります。しかし、1882年にイギリスに占領され、名実ともに独立を手にしたのは1956年です▼「20世紀のピラミッド」。50年代に革命を導いたナセル大統領が、ナイル川アスワン・ハイダムをさしていった言葉です。56年にスエズ運河を国有化し、イギリスなどの侵略軍を追い払ったエジプト。運河収入を巨大ダム建設にあてようとします。ハイダムは当時、独立と近代化の象徴でした▼「ナイル川さえも喜び興奮し、ピラミッドさえ自由と尊厳の再生に誇りを感じている」。日本共産党の志位委員長が先日の「綱領教室」で紹介した、いまの民主的変革を支持する旧エジプト政権関係者の声です。古くて新しい国の民衆の力が、世界を興奮させます。





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