2011年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

米が未臨界核実験

オバマ政権下で3回目


 【ワシントン=小林俊哉】米政府がネバダ州の核実験場で昨年10月以来2度の未臨界核実験を行っていたことが19日までに米エネルギー省の核安全保障局(NNSA)の資料で明らかになりました。オバマ政権下では昨年9月15日の実験と合わせて3回目となります。

 2度の未臨界核実験は、NNSAが備蓄核兵器管理のために行った実験の報告書(2011年5月)の中に記載されているもの。従来、米政権は未臨界実験を行うたびに発表していましたが、今回は、定期的に発表される報告書のなかで触れただけでした。

 実験は「保存核兵器の安全性と信頼性を維持するため」に、昨年10〜12月の間と、今年1〜3月の間に各1回実施されました。

 この結果、1997年7月から行われている米国での未臨界核実験は通算26回になりました。

 未臨界核実験については、これまで専門家から、「核兵器の維持、改良に使われ、核保有の継続につながる」との指摘が出ていました。

 オバマ政権は「核なき世界」を掲げていますが、新たな核兵器開発という懸念とともに、今回は実験実施の透明性を欠如させた点でも批判を呼ぶのは必至です。


 未臨界核実験 核物質を核分裂が連続的に起きる臨界に至らない条件において行う核兵器実験。高性能爆薬による爆破・圧縮、大出力レーザー照射によって行われます。爆発を伴わないことから、包括的核実験禁止条約(CTBT)の対象外とされますが、核軍縮と核兵器廃絶を目指すとしている同条約の精神に反するものです。





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