2011年7月20日(水)「しんぶん赤旗」
教科書採択 何としても阻止
歴代教育長8氏が要望
侵略戦争を美化・集団自決強要認めず
石垣市・竹富町
侵略戦争を美化し沖縄戦で日本軍による集団自決強要や住民虐殺を認めない自由社、育鵬社の歴史・公民教科書の採用を「何としても阻止したい」と19日、沖縄県石垣市と竹富町の歴代教育長8氏が、両市町の教育長に要望書を提出して懇談しました。
石垣市、竹富町、与那国町の3市町の中学校教科書を決める教科用図書八重山採択地区協議会(会長=玉津宏克石垣市教育長)は6月27日、会長主導で規約を唐突に全面改定した上、規約上の手続きを経ず会長が教科用図書調査員を選任。これまで行われていた推薦図書の順位付けを廃止し、教育関係者や保護者らの間で「自由社・育鵬社の教科書採択に向けた動き」との懸念が広がっていました。
石垣市教育委員会の玉津教育長に対し、歴代教育長らは「これらの教科書で生徒が教われば、私たちが戦中教わった教育の二の舞いになる」(仲山忠亨氏)と訴え、(1)2社の教科書を採択しない(2)採択は学校現場の意見を尊重し従来の方法を守る(3)採択の理由・根拠の公開―を求めました。
玉津教育長は「選定は法律やルールに則り、文部科学省の指導等を織り込み粛々と推進する」「開かれた採択」と答え、推薦図書の順位付け廃止や協議会メンバーの公開を拒みました。
竹富町の慶田盛安三教育長は「関心は高く、なぜそうなったかを公開する義務がある」と語りました。
21日は、石垣市と那覇市で教科書問題緊急報告会が開かれます。