2011年7月16日(土)「しんぶん赤旗」
全国の高校生2000人
授業料無償なのに徴収
9割が定時・通信制 日高教調査
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昨年4月に始まった公立高校の授業料の無償化のもとで昨年度、18都県の約2000人の生徒が授業料を徴収されていたことが15日、日本高等学校教職員組合(日高教)の調査で明らかになりました。
47都道府県の教育委員会が回答しました。
授業料を徴収されていたのは、標準修業年限(全日制36月、定時制・通信制48月)を超えた生徒や既卒(再入学)の生徒。徴収するかどうかは自治体の判断です。徴収された約2000人の9割近くが経済的困窮などの事情を抱える定時制・通信制の生徒でした。
病気や休学などの留年生については、ほぼ全自治体が不徴収でした。
徴収の最多は広島県の476人、東京都395人、福岡県377人の順。計約2000人から集めた授業料の総額は年約5800万円でした。
記者会見した坂本次男副委員長は、授業料を徴収しない自治体の独自措置分をあわせて2億円の予算で無償化を実現できると説明し、「社会全体で学びを支えるため、国の責任で完全不徴収を実現して、真の意味での授業料無償化とすべきだ」と訴えました。
授業料を「完全不徴収」としている自治体は、昨年調査から山形、栃木、群馬の3県が減って16道府県。これ以外でも9県は実質的に完全不徴収でした。佐賀県は「全日制48月、定時制・通信制72月は不徴収」と、国の基準を上回る規定を設けています。