2011年7月16日(土)「しんぶん赤旗」
対北貿易禁止は当然、日本も原発から撤退を
吉井議員 核兵器開発「制裁」で
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衆院経済産業委員会は15日、北朝鮮の核兵器開発に対する「制裁」措置としての北朝鮮との輸出入全面禁止の延長について全会一致で承認しました。
質問に立った日本共産党の吉井英勝議員は、北朝鮮の核兵器開発に対する貿易禁止措置は当然だが、日本が進める原子力の軽水炉路線も核兵器につながるプルトニウムを大量に作り出すことになると批判しました。
吉井氏は、北朝鮮が軽水炉建設を進めるとプルトニウムが生まれると述べ、北朝鮮が現在保有しているプルトニウムやウランの量などについて質問。外務省の杉山晋輔・外務省アジア大洋州局長は、プルトニウムの量については明らかにしませんでしたが、ウランについては「年間、最大2トンの低濃縮ウラン、最大40キログラム高濃縮ウランが製造可能と報告されている」と述べました。
また、吉井氏の質問に、細野哲弘資源エネルギー庁長官は、日本の使用済み核燃料から生まれてきたプルトニウムの量について未処理のものもあわせて2009年末で158・8トンにのぼることを明らかにしました。
吉井氏は、「北朝鮮に核兵器開発をやらせないための『制裁』は当然だが、日本も軽水炉路線を進めれば、プルトニウムがたまり、それ自体が国際的不信を招くことになる」と指摘。「原発が地震のさい安全性を保つことが困難であることも明らかになった。原発からの撤退を決断すべきだ」と主張しました。