2011年7月16日(土)「しんぶん赤旗」
面積基準、引き下げ容認
つめ込み保育 35市区
厚労省
厚生労働省は15日、保育所の待機児童問題への対応を口実に、2012年4月から3年間、一部自治体が独自に認可保育所の面積基準を設定することを認める方針を固めました。4月末の「地域主権改革」一括法の成立による国の責任放棄の一環で、12年度は東京都中央区や横浜市など都市部35市区が対象となります。
適用の要件は、▽市区町村の待機児童数が100人以上▽住宅地の公示価格の平均額が三大都市圏を上回る―の2点。面積基準を自治体の判断で引き下げれば、乳幼児のつめこみが進んで保育環境が悪化する上、自治体が保育所の増設努力をしなくなる恐れがあります。
保育所の面積については現在、0〜1歳のほふく(はいはいなど)をしない乳幼児が1人当たり1・65平方メートル、ほふくする乳幼児が同3・3平方メートルなどと、国が全国一律の最低基準を定めています。
「地域主権改革」一括法は、国の最低基準を撤廃して自治体の条例任せにするもの。保育所の面積については厚労省令で「従うべき基準」を定めますが、特定の地域では基準を引き下げる特例が許されます。厚労省は特例の対象地域や期限を検討してきました。
保育所面積基準緩和対象35市区
【東京都】
中央区、港区、文京区、墨田区、江東区、大田区、世田谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、立川市、三鷹市、府中市、調布市、小平市、東村山市、東久留米市、多摩市、西東京市
【神奈川県】
横浜市、川崎市、藤沢市、茅ケ崎市、大和市
【埼玉県】
さいたま市、川口市
【千葉県】
市川市
【京都府】
京都市
【大阪府】
大阪市
【兵庫県】
西宮市
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