2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」
被災地・陸前高田 米軍機が超低空飛行
児童「怖い」「うるさい」
仮設住宅に爆音まきちらす
「これまで何回か低空飛行している戦闘機をみたけど、今回はこれまでにないくらいかなり低く大きく見えました」―。8日午前、被災地の岩手県陸前高田市の広田小学校上空で米空軍三沢基地(青森県)所属のF16とみられるジェット戦闘機の超低空飛行を目撃していた同校教員はこう語ります。 (洞口昇幸)
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証言したのは、4年生を担任する教員です。超低空飛行が行われたときは理科の授業中で、児童と外に出て学校のプール横に植えたヘチマの世話をしていたところでした。
この教員は語ります。「低空飛行のものすごい爆音は2、3回したような気がします。最後の音を聞きながら空を見ると、灰色の戦闘機特有の三角形の翼がはっきり見えました。児童は『うるさい』『怖い』などと口にしていました」
同教員は地図で確認しながら「戦闘機は北東の方向から南西の方向へ飛んでいきました。岩手県大船渡市のほうから宮城県の唐桑半島へ抜けていったようです」と語りました。
同校の熊谷拓郎副校長も「これまでも年1、2回は低空飛行があります。これまでと比べても今回はすごい音で、はじめ身動きができませんでした」と述べました。
震災後、超低空飛行が同市で目撃されたのは今回が初めて。校庭には仮設住宅が建っており、被災者が生活しています。
米軍は被災者支援として「トモダチ作戦」を行いましたが、今は以前のように日本上空を傍若無人に飛び回り、住民の生活を脅かす“通常のサイクル”に戻っていると思われます。
米軍機の低空飛行訓練について、日本では何ら制限がありません。米軍機には日本の航空法は適用除外。訓練飛行ルートも公開されていません。
昨年は秋田県大館市で低空飛行に驚いた名物・比内(ひない)地鶏が大量圧死し、今年3月には岡山県津山市で民家の土蔵が全壊する被害が起こりました。
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